イージスEW
AEGIS-EW
HEADER(HTTP ヘッダー関連)
ウェブセキュリティの重要な要素
はじめに
HTTPセキュリティヘッダーは、ウェブアプリケーションを様々な攻撃から保護するために重要な役割を担っています。適切に設定されたセキュリティヘッダーは、様々な攻撃から保護し、全体的なセキュリティ態勢を強化します。
主要なHTTPセキュリティヘッダー:詳細説明と実装について(Apacheの場合)
- Content-Security-Policy (CSP)
・機能説明
Content-Security-Policyは、クロスサイトスクリプティング(XSS)やその他のコンテンツインジェクション攻撃を防ぐためのセキュリティレイヤーです。
・なぜ必要なのか
CSPは、ウェブページが読み込むことができるリソース(スクリプト、スタイルシート、画像など)の種類とソースドメインを制限します。これにより、悪意のあるスクリプトの実行を防ぎ、サイトのセキュリティを大幅に向上させます。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header set Access-Control-Allow-Origin "https://trusted-domain.com"
Header set Access-Control-Allow-Methods "GET, POST, OPTIONS"
Header set Access-Control-Allow-Headers "Origin, X-Requested-With, Content-Type, Accept"
</IfModule> - Redirection (HTTP/301 Moved Permanently)
・機能説明
HTTP 301リダイレクトは、ウェブページが永続的に移動したことをクライアントに通知するためのHTTPステータスコードです。
・なぜ必要なのか
HTTPからHTTPSへのリダイレクトは、すべての通信を暗号化された安全な接続に強制するために使用されます。これにより、中間者攻撃やデータの傍受を防ぎます。
・Apache httpd.confでの実装
<VirtualHost *:80>
ServerName www.example.com
Redirect permanent / https://www.example.com/
</VirtualHost> - Strict-Transport-Security (HSTS)
・機能説明
HTTP Strict Transport Security (HSTS) は、ウェブサイトが HTTPS 経由でのみアクセスされることを強制するセキュリティヘッダーです。
・なぜ必要なのか
HSTS は、SSL/TLS プロトコルのダウングレード攻撃や中間者攻撃を防ぎます。一度設定されると、ブラウザは指定された期間中、そのドメインへのすべての接続を HTTPS で行います。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header always set Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload"
</IfModule> - X-Content-Type-Options
・機能説明
X-Content-Type-Options は、ブラウザによる MIME タイプのスニッフィング(推測)を防ぐセキュリティヘッダーです。
・なぜ必要なのか
このヘッダーは、ブラウザが提供された Content-Type を無視してコンテンツタイプを推測することを防ぎます。これにより、MIME タイプのミスマッチを悪用した攻撃(例:悪意のあるスクリプトを画像ファイルとして偽装する)を防ぐことができます。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header set X-Content-Type-Options "nosniff"
</IfModule> - X-Frame-Options
・機能説明
X-Frame-Options は、ウェブページが iframe 内で表示されることを制御するセキュリティヘッダーです。
・なぜ必要なのか
このヘッダーは、クリックジャッキング攻撃を防ぐために使用されます。クリックジャッキングは、ユーザーを騙して悪意のあるアクションを実行させる攻撃手法です。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header set X-Frame-Options "SAMEORIGIN"
</IfModule> - X-XSS-Protection
・機能説明
X-XSS-Protection は、ブラウザの組み込み XSS 防御機能を制御するセキュリティヘッダーです。
・なぜ必要なのか
このヘッダーは、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を検出し、ページの読み込みを停止することで、ユーザーを保護します。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header set X-XSS-Protection "1; mode=block"
</IfModule> - Subresource Integrity (SRI)
・機能説明
Subresource Integrity は、外部リソース(主にスクリプトやスタイルシート)の整合性を検証する機能です。
・なぜ必要なのか
SRI は、CDN や他の外部ソースから読み込まれるリソースが改ざんされていないことを保証します。これにより、悪意のあるスクリプトの注入を防ぎます。
・HTML内での実装
SRI は主に HTML 内で実装されるため、Apache の設定ファイルでは直接設定しません。
代わりに、HTML 内で以下のように使用します:
<script src="https://example.com/script.js" integrity="sha384-oqVuAfXRKap7fdgcCY5uykM6+R9GqQ8K/uxy9rx7HNQlGYl1kPzQho1wx4JwY8wC" crossorigin="anonymous"></script> - Cookies
・機能説明
Cookies はウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなデータファイルです。
・なぜ必要なのか
セキュアな Cookie 設定は、セッション管理やユーザー認証の安全性を高めます。特に HttpOnly と Secure フラグは、XSS 攻撃や中間者攻撃からの保護に重要です。
・Apache httpd.confでの実装
Apache では、主にアプリケーションレベルで Cookie を設定しますが、以下のようにグローバルな Cookie フラグを設定できます:
<IfModule mod_headers.c>
Header edit Set-Cookie ^(.*)$ $1;HttpOnly;Secure
</IfModule> - Cross-Origin Resource Sharing (CORS)
・機能説明
CORS は、ウェブページが異なるドメインのリソースにアクセスすることを制御するメカニズムです。
・なぜ必要なのか
CORS は、クロスオリジンリクエストに関連するセキュリティリスクを軽減しながら、必要な場合に異なるドメイン間でのリソース共有を可能にします。
・Apache httpd.confでの実装
<IfModule mod_headers.c>
Header set Access-Control-Allow-Origin "https://trusted-domain.com"
Header set Access-Control-Allow-Methods "GET, POST, OPTIONS"
Header set Access-Control-Allow-Headers "Origin, X-Requested-With, Content-Type, Accept"
</IfModule>
AEGIS-EWにおけるHTTPセキュリティヘッダー脆弱性診断
AEGIS-EWでは、実際のHTTPアクセスにより得られたヘッダー情報から脆弱性の有無を診断します。
結論
HTTP-Headerは、ウェブアプリケーションセキュリティにおいて重要な役割を果たします。
これらのセキュリティヘッダーを適切に実装することで、ウェブアプリケーションのセキュリティを大幅に向上させることができます。ただし、各ヘッダーの設定はアプリケーションの要件に応じて調整する必要があります。また、これらのヘッダーは包括的なセキュリティ戦略の一部として使用し、定期的に更新と見直しを行うことが重要です。